葬儀後に必要なこと

火葬の後に(御礼など)

帰宅後のお清め

地域や宗派にもよりますが、火葬から戻った参列者や遺族は、葬祭ホールや自宅に入る前にひしゃくでそそいだ水で手を洗い、お清めの塩を胸元・背中・足元などに軽く振りかける「清めの儀式」を行います。

関係者へのお礼

葬儀に参列した方や受付などのお手伝いをして下さった関係者、近所や故人の勤務先、僧侶などにお礼を兼ねて菓子折りなどを持ってご挨拶に行きます。
弔電・供花を頂いた方にはお礼の手紙などを書きましょう。
勤務先では私物の整理や給与清算などが必要な場合があります。
葬儀の際、高額のお香典を頂いた方には四十九日法要までに、後返し(香典返し)の準備、発注をしておきましょう。

遺品の整理

ある程度時間がたって気持ちが落ち着いてから、遺品の整理を行います。
整理する際には、保存する物、形見分けする物、処分する物に分けます。
写真・手紙・手帳(住所やメモなど)預金通帳などは必要になる事もあるので保管し、貴金属や故人が愛用していた物などは形見分けにし、絵画や古美術品・書籍などは寄贈される事もあります。
その他、ただ単に破棄されるゴミとして抵抗がある場合には遺品整理業者に委託し、お焚き上げを行ってもらい処分してもらう事も出来ます。

初七日法要と精進落とし

初七日法要

本来、初七日法要は亡くなってから7日目に行いますが、現在では親族全員が改めて集合する等の時間的制約も難しく、式当日に行われる事が多くなりました。
葬儀・告別式の式中に行う場合と、火葬後、葬祭ホールや寺に戻ってから行う場合が有ります。
法要終了後、精進落としを振る舞います。

精進落とし
精進落としとは本来、近親者が喪服期間中に肉や魚、魚介類などの生き物を殺生せず、精進料理を食し、忌明けに通常の食事に戻した事から由来しますが、現在は僧侶・関係者の労をねぎらう宴席の意味で、葬儀当日の初七日法要終了後に行います。
会食の席では、喪主および親族代表が簡単な挨拶を行なった後、飲み物を注いだグラスを持ち、「献杯」(けんぱい)と発声して杯を掲げ、故人を偲んで会食に入ります。
神道(しんとう)の場合、初七日にあたるのが十日祭(とおかさい)と云います。
亡くなって十日後に開く霊祭ですが、これも火葬当日に帰家祭(きかさい)と一緒に行う事が多くなりました。十日祭終了後、仏式の精進落とし同様、関係者に感謝とお礼の意をこめてお食事を振る舞います。
これを直会(なおらい)と呼びます。
これは身を清めて祭事に行った特別な状態を解き平常に戻る(直る)と云う意味合いです。

四十九日法要

四十九日の意味

仏教では亡くなられてから四十九日までの期間を中陰(ちゅういん)期間と呼びます。
現世と来世の中間で、現世の陽に対して死後の世界は陰という事からこう呼ばれています。
この期間冥途の旅を続け、七日ごとに生前に犯した罪の裁きを受け、四十九日目にその人にふさわしい世界に行くと教えられています。
亡くなられて七日目の裁きを初七日と云います。
三十五日(いつなのか)目には有名な閻魔(えんま)大王の裁きを受けます。
四十九日法要(七七日忌 しちしちにちき)は近親者・知人を招き追善供養を行い、亡き人が無事、極楽浄土へ往生し成仏する様に、生存する近親者が願って供養し、忌明けの法要を行います。
四十九日は、喪に服していた遺族が日常生活に戻る日でもあります。
※宗旨・宗派によっては若干、教義の違いが有ります。

四十九日の法要の準備
四十九日法要一連の流れは、僧侶による読経の後、遺族・参列者の焼香がなされ、儀式終了後、墓所に納骨して会食するというのが一般的です。
まず準備としては、日程と場所を決めます。
菩提寺の僧侶、霊園などに予め空いている日を聞いておきましょう。
法要は亡くなった日から四十九日目に行うのが最善ではありますが、平日に参列者が集まりにくい場合、四十九日前の土曜や日曜が良いでしょう。
土曜・日曜はこの様な理由で法事が集中します。
日程・場所の予約は、葬儀終了後、早めに調整しておきましょう。
法要後会食をする場合、会食場所と人数を確認して手配をします。
墓所に会食場所がない場合、近隣の会席料理屋・レストラン等を予約し、時間・料理のお値段・人数を確定しておき、参列者への引き出物(返礼品)も会場に用意しておきましょう。
墓所が無く、納骨場所が決まってない場合、自宅に僧侶をお迎えして法要を行う事もできます。

仏壇について

仏壇の準備

仏式で葬儀を行い、自宅に仏壇の無い場合は、四十九日までに仏壇・仏具を用意しましょう。
新しい仏壇を購入する際、種類や在庫状況によっては納品に時間が掛かる事も有るので、四十九日に間に合わない場合は、月忌命日・年忌法要やお盆・お彼岸の日に併せて仏壇を設置しましょう。
また、四十九日法要の際には、葬儀で使用した白木の位牌を菩提寺に納めます。
それまでに仏具店で自宅の仏壇に納める本位牌を用意しておきます。
位牌の種類と大きさが多数あります。ご自宅の仏壇内の高さにあったもの、ご先祖様の位牌にならった種類をお選び頂くのが良いでしょう。

仏壇の種類

大きく分けて、金仏壇・唐木仏壇・新仏壇(家具調仏壇)の3種類あります。
金仏壇は杉・檜・松などの素材に漆を塗り、内部は金箔を施し、「浄土の世界」を表した仏壇です。
唐木仏壇は黒檀・紫檀など、木目の美しい木材を使い、欄干や彫刻を施した仏壇です。
新仏壇は家具調に作られており、洋間など現代の暮らしに溶け込む様にデザインされたものです。
形は上置きタイプと床置きタイプの2種類あります。上置きは家具の上や棚の上にご安置するもの。
床置きは床に直接ご安置するものです。

仏壇の設置

仏間がない場合は、居間に仏壇を設置することが多くなっています。
神棚がある場合は、仏壇を神棚の向かい側に設置しないようにします。
仏壇を新たに設置する場合は、開眼供養という法要を行います。
開眼供養とは、仏の魂を迎え入れる儀式で、僧侶を招いて読経を行います。

納骨について

納骨の時期

お墓に埋葬する納骨の時期に明確な決まりはありませんが、遺族も落ち着いた忌明けの頃に行われるのが一般的です。
仏教では四十九日法要が済んだ日、キリスト教ではプロテスタントが1ヶ月後に行われる昇天記念日、カトリックでは1ヶ月後の命日に行われる追悼ミサ、神道では五十日霊祭の日に行います。
しかし、宗旨・宗派・地域によって違いがありますので、宗教家のご指示に則して行いましょう。

納骨の準備

死亡届を市町村役場に提出すると、「火葬許可書」が発行されます。
これを火葬場に提出すると火葬した日時が記入され、「埋葬許可書」として遺族に渡されます。
墓地や納骨堂に埋葬する場合、この「埋葬許可書」が必要となります。
紛失しても再発行はしませんので、大切に保管して下さい。
その他、当日までにお布施など寺院・神社・教会への謝礼のほか、本位牌・写真・線香・花・塔婆(とうば)・供物などの準備が必要です。但し、宗旨・宗派・霊園ごとに納骨の際、必要事項が異なる場合も有りますので事前に関係・各所に連絡を入れて確認をしておきましょう。

納骨をしない場合

葬儀が終わって、遺族の気持ちの整理がつくまで、自宅にご安置していても法律上の問題はありません。
将来的にお墓を購入するまで寺院・霊園の納骨堂に期限付きで預かって頂く事も出来ます。
又、故人の希望で海への散骨、山林への樹木葬などもあります。
散骨する場所は全て許可制となりますので専門業者に相談してみましょう。
最近では遺骨の一部を手元に残す、「手元供養」をする人も多くいます。
遺骨の一部をペンダントやブレスレットにして身に着ける事も出来ます。

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